学研全訳古語辞典 |
いははなや…
分類俳句
「岩端やここにもひとり月の客」
出典笈日記 俳諧・去来(きよらい)
[訳] 今夜の名月を賞する人も多かろうが、月よ、この岩頭に、私というもう一人の風流人がいて、月を眺めていますよ。
鑑賞
この句は、有名な逸話とともに『去来抄』の先師評の部にも出ている。去来はこの句を「自身が明月に興じていると、岩頭にもう一人月見の風流人を見つけた」の意で作ったのであるが、師の芭蕉(ばしよう)は「作者自身の姿が自ら名乗り出たものと解釈すべきだ」としたという。「月の客」を、他称ではなく自称とすることによって、風流の趣が深まり、より味わいの深い句となった。季語は「月の客」で、季は秋。
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