学研全訳古語辞典 |
いのちふたつの…
分類俳句
「命二ツの中に生きたる桜かな」
出典野ざらし 芭蕉(ばせう)
[訳] あなたと私の命二つ、生き長らえてこうして再会することができた。その二人の間に、生き生きと咲きほこっている桜であることよ。
鑑賞
「水口(みなくち)にて二十年を経て故人に逢(あ)ふ」と前書きにある。芭蕉が故郷伊賀(いが)の旧知である服部土芳(はつとりどほう)に二十年ぶりに近江(おうみ)水口で再会した時のもの。西行の「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり佐夜(さや)の中山」(『新古今和歌集』)〈⇒としたけて…。〉という歌を踏まえている。季語は「桜」で、季は春。
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