学研全訳古語辞典 |
し・む 【占む・標む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
自分の領地であることを示す目印をする。
出典万葉集 一四二七
「明日よりは春菜(はるな)摘まむとしめし野に昨日(きのふ)も今日(けふ)も雪は降りつつ」
[訳] 明日からは春の若菜を摘もうと占有の目印を付けた野に、昨日も今日も雪は降り続いていることよ。
②
占有する。敷地とする。
出典源氏物語 絵合
「山里ののどかなるをしめて、御堂造らせ給(たま)ひ」
[訳] 源氏は山里の静かな所を敷地として、お堂をお建てになり。
③
身に備える。
出典源氏物語 浮舟
「いとあはれと人の思ひぬべきさまをしめ給(たま)へる人柄なり」
[訳] とてもしみじみと心を打つと人が思うにちがいない姿を備えていらっしゃるお人柄である。
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