学研全訳古語辞典 |
およば-・ず 【及ばず】
分類連語
①
届かない。至らない。
出典源氏物語 絵合
「雲井は、げに、およばぬことなれば」
[訳] 天上界は、まことに、(下界人の想像の)届かないことだから。
②
〔「…におよばず」の形で〕
(ア)
…(する)ことが不可能である。…(する)ことができない。
出典平家物語 一一・逆櫓
「大浪(おほなみ)に舟どもさんざんに打ち損ぜられて、出(い)だすにおよばず」
[訳] 大波で舟がさんざんに打ち壊されて、出すことができない。
(イ)
…(する)必要がない。…(する)までもない。
出典平家物語 一一・副将被斬
「鎌倉まで具したてまつるにおよばず」
[訳] 鎌倉までお連れ申し上げるまでもない。
なりたち
動詞「およぶ」の未然形+打消の助動詞「ず」
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