学研全訳古語辞典 |
め・す 【召す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
お呼びになる。お召しになる。▽「呼ぶ」「招く」の尊敬語。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「大臣(おとど)・上達部(かんだちめ)をめして」
[訳] (帝(みかど)は)大臣・公卿(くぎよう)をお召しになって。
②
お取り寄せになる。持って来させなさる。▽「取り寄す」の尊敬語。
出典源氏物語 常夏
「人召し、『篝火(かがりび)の台一つ、こなたに』とめす」
[訳] 人をお呼びになって「篝火の台を一つ、こちらに」とお取り寄せになる。
③
召し上がる。お食べになる。お飲みになる。▽「食ふ」「飲む」の尊敬語。
出典徒然草 二三六
「いざ給(たま)へ、出雲(いづも)拝みに。かいもちひめさせん」
[訳] さあ、いらっしゃい、出雲神社の参拝に。ぼたもちを召し上がらせよう(=ごちそうしよう)。
④
お着けになる。お召しになる。▽「着る」の尊敬語。
出典源氏物語 末摘花
「御直衣(おほんなほし)めして」
[訳] ふだんのお着物をお着けになって。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
お乗りになる。▽「乗る」の尊敬語。
出典平家物語 七・福原落
「人びと皆、御舟にめす」
[訳] (平家の)人々はみんな、お舟にお乗りになる。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
尊敬の意の動詞の連用形に付いて、さらに尊敬の気持ちを高める。⇒思(おぼ)し召す。聞こし召す。知ろし召す。
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