学研全訳古語辞典 |
のろ・ふ 【呪ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
恨みのある人に災いがふりかかるように神に祈る。のろう。
出典枕草子 正月一日は
「泣き腹立ちつつ、人をのろひ」
[訳] 泣いて腹を立てながら、人をのろい。◆動詞「の(告)る」の未然形に反復継続の助動詞「ふ」の付いた「のらふ」の変化した語。
まじ-な・ふ 【呪ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
災いが起きるように、神霊などに祈る。のろう。
出典日本書紀 用明
「太子(ひつぎのみこ)、彦人皇子(ひこひとのみこ)の像(みかた)と竹田皇子(たけだのみこ)の像とを作りてまじなふ」
[訳] 太子は、彦人皇子の人形(ひとがた)と竹田皇子の人形とを作って、(その死を願い)のろった。
②
病気や災いを除くため、神霊などに祈ったり呪文(じゆもん)を唱えたりする。まじなう。
出典源氏物語 若紫
「世に起こりて、人々まじなひ煩ひしを」
[訳] (病気が)世間に流行して、行者たちがまじなっても(効きめがなく)てこずっていたが。
③
(呪術(じゆじゆつ)で病気を)治療する。
出典落窪物語 二
「…御胸まじなへと、上の預け奉り給(たま)ひつるなり」
[訳] …お胸を治療なさいと、北の方が私にお預け申したのだ。
呪ふのページへのリンク |