学研全訳古語辞典 |
もとほ・す 【廻す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
巡らす。回す。
出典古事記 神代
「垣を作りもとほし、その垣に八門(やかど)を作り」
[訳] 垣根を作り巡らし、その垣に八つの入り口を作り。
まは・す 【回す・廻す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
回転させる。まわす。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「舟を、海中(うみなか)にまかり入(い)りぬべく吹きまはして」
[訳] 舟を、海中に引き入れてしまうほどに吹きまわして。
②
周りを取り巻く。めぐらす。
出典蜻蛉日記 中
「幕引きまはして」
[訳] 幕を引きめぐらして。
③
さし向ける。
出典宇津保物語 蔵開上
「それより車をまはさせ給(たま)ひて」
[訳] そこから車をさし向けさせなさって。
④
行き渡らせる。広くめぐらす。
出典源氏物語 賢木
「のどめたるところおはせぬ大臣(おとど)の、思(おぼ)しもまはさずなりて」
[訳] ゆったりとしたところのおありでない大臣で、お考えも広くめぐらすことがなくて。
⑤
運用する。
出典日本永代蔵 浮世・西鶴
「借銀(かりがね)も、ことごとく利を一か月も重ねぬやうにまはせば」
[訳] 借金も、ことごとく利息を一か月も滞らせないようにして運用すると。
まわす 【回す・廻す】
⇒まはす
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