学研全訳古語辞典 |
おく・る 【後る・遅る】
{語幹〈おく〉}
①
あとになる。おくれる。
出典今昔物語集 二五・一二
「それにおくれじと走らせつつ」
[訳] それにおくれまいと(馬を)走らせ走らせ。
②
後に残る。取り残される。
出典土佐日記 一・七
「行く先に立つ白波の音(こゑ)よりもおくれて泣かむ我やまさらむ」
[訳] あなた方の帰って行く船路の先々に立つ白波の音よりも後に残って泣く私の声の方がはるかに大きいでしょう。
③
先立たれる。生き残る。
出典源氏物語 若紫
「故(こ)姫君は、十ばかりにて殿におくれ給(たま)ひしほど」
[訳] 亡くなった姫君は、十歳ぐらいで父君に先立たれなさったとき。
④
劣る。乏しい。
出典枕草子 木の花は
「愛敬(あいぎやう)おくれたる人の顔などを見ては」
[訳] かわいらしさが劣る人の顔などを見ては。
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