学研全訳古語辞典 |
おもひ-し・む 【思ひ染む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
心にしみて深く思う。しみじみ思う。強く思う。「おもひそむ」とも。
出典源氏物語 桐壺
「おもひしみながら言(こと)に出(い)でても聞こえやらず」
[訳] しみじみ(悲しいと)思いながら言葉に出して申し上げることもできず。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
心に深くしみ込ませる。思いつめる。「おもひそむ」とも。
出典枕草子 四月、祭の頃
「蔵人(くらうど)おもひしめたる人の」
[訳] 蔵人になりたいと思いつめている人で。
おもひ-そ・む 【思ひ染む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
「おもひしむ[一]」に同じ。
出典幻住庵記 俳文・芭蕉
「いとかりそめに入りにし山の、やがて出(い)でじとさへおもひそみぬ」
[訳] ほんのちょっとの間と入った山で、すぐに出まいとまで強く思った。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
「おもひしむ[二]」に同じ。
出典増鏡 藤衣
「なぞもかくおもひそめけむ桜花山とし高く成りはつるまで」
[訳] なぜこのように思いつめたのだろうか桜花よ。思いが積もって山がすっかり高くなってしまうまで。
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