学研全訳古語辞典 |
そ-も 【抑】
それにしても。そもそも。いったいぜんたい。▽前に述べたことに関係して、改めて説き起こすのに用いる語。下の文は疑問形が多い。
出典徒然草 五二
「聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山に登りしは、何事かありけん」
[訳] (石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は)聞いていたのにもまさって、けだかくいらっしゃった。それにしても、お参りしていた人が皆山に登ったのは、いったい何があったのだろうか。
そも-そも 【抑】
いったいぜんたい。さて。▽あらためて話題を出すときに用いる。
出典土佐日記 一・七
「『そもそもいかが詠んだる』と、いぶかしがりて問ふ」
[訳] 「いったいぜんたいどんなふうに(歌を)詠んだのか」と、不思議がって尋ねる。
初め。起こり。
出典日本永代蔵 浮世・西鶴
「そもそもより、摺(す)り鉢九つ、…三年あまりに一つも売れず」
[訳] (店を開いた)初めから、摺り鉢が九つ、…(あったものが)、三年あまりの間に一つも売れない。◆[一]の接続詞から変化した語。
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