学研全訳古語辞典 |
ひね・る 【捻る・拈る・撚る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
つまむ。ひねる。
出典落窪物語 二
「錠(ぢやう)ひねり見給(たま)ふに」
[訳] 錠をひねってご覧になるが。
②
よじる。
出典枕草子 松の木立高き所の
「外様(とざま)にひねり向きて」
[訳] 外向きに(身体を)よじって。
③
苦心して作り出す。
出典土佐日記 二・七
「からくして、あやしき歌ひねり出(い)だせり」
[訳] やっとのことで、変な和歌を苦心して作り出した。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
一風変わった趣を出す。
出典浮世風呂 滑稽
「ぐっとひねって俗物なる跋(ばつ)」
[訳] いちだんと変わった趣を出して通俗的なあとがき。◇「ひねっ」は促音便。
よ・る 【縒る・搓る・撚る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
何本かをねじり合わせて一本にする。
出典徒然草 九
「女の髪すじをよれる綱には」
[訳] 女の髪の毛をねじり合わせて一本にした綱には。
②
ねじ曲げる。
出典新古今集 夏
「よられつる野もせの草のかげろひて涼しく曇る夕立の空」
[訳] 日光の暑さにねじ曲げられた野原一面の草がかげってきて、涼しく曇った空から夕立が降ってきた。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
しわになる。
出典古今集 雑体
「蟬(せみ)の羽(は)の(=枕詞(まくらことば))ひとへに薄き夏衣(なつごろも)なればよりなむ物にやはあらぬ」
[訳] (蟬の羽のように)たいへん薄い夏の衣服は着なれると、しわになるような物ではないかしら。
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