学研全訳古語辞典 |
かう 【斯う】
①
このように。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「などかうつたなうはあるぞ」
[訳] なぜこのようにできが悪いのか。
②
〔「かうなり」の形で〕そうそう。そのとおり。
出典大鏡 道長下
「かうなり、かうなり。さらむ折は必ず告げ給(たま)ふべきなり」
[訳] そのとおりだ、そのとおりだ。そういう時には必ずお知らせなさるべきです。
③
もうこれまで。
出典平家物語 一・祇王
「祇王(ぎわう)すでに、今はかうとて出いでけるが」
[訳] 祇王はもはや、今となってはもうこれまでと思って外へ出たが。
④
これこれ。しかじか。
出典平家物語 二・烽火之沙汰
「入道に、かうとも申しも入れず」
[訳] 入道(=平清盛)に、これこれとも申し上げもしないで。◆「かく」のウ音便。
こう 【斯う・長官】
⇒かう
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