学研全訳古語辞典 |
すゑ-ずゑ 【末末】
①
(物の)先の方。先端。末端。
出典源氏物語 蜻蛉
「心もとなき花のすゑずゑ」
[訳] 弱々しい花の先端。
②
行く末。将来。あとあと。
出典源氏物語 末摘花
「かかる人々のすゑずゑいかなりけむ」
[訳] このような人々の将来はどうなったのだろうか。
③
年下の者。
出典源氏物語 柏木
「弟の君(きん)だちも、また、すゑずゑの若きは」
[訳] 弟の君達も、また(ずっと)年下の若い方々は。
④
子孫。
出典徒然草 三〇
「聞き伝ふるばかりのすゑずゑは、あはれとやは思ふ」
[訳] (故人のことを)聞き伝えているだけの子孫は、(その故人のことを)しみじみと思うであろうか、いや、思いはしない。
⑤
身分の低い者。しもじも。
出典徒然草 一三七
「若くすゑずゑなるは、宮仕へに立ち居(ゐ)」
[訳] 若くて身分の低い者は、主人の世話に立ったり座ったりして(忙しく)。
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