学研全訳古語辞典 |
きは・む 【極む・窮む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
極限に到達させる。きわめる。
出典平家物語 一・祇園精舎
「楽しみをきはめ、いさめをも思ひ入れず」
[訳] 楽しみをきわめ、(人の)忠告をも深く心にとどめないで。
②
終わらせる。
出典源氏物語 明石
「何ばかりのあやまちにてか、この渚(なぎさ)に命をばきはめむ」
[訳] どれ程の罪で、この海のほとりで命を終わらせるのであろうか。
③
尽くす。
出典太平記 二〇
「誠を尽くし理をきはめて仰せられければ」
[訳] 誠意を尽くし、あらゆる道理を尽くしておっしゃったので。
④
決める。決定する。
出典去来抄 先師評
「先師をはじめいろいろと置き侍(はべ)りて、この冠(かむり)にきはめ給(たま)ふ」
[訳] 先師(=芭蕉(ばしよう))をはじめ(皆も)いろいろと置いてみまして、この冠(=俳句の最初の五文字)にお決めになる。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
極限に達する。きわまる。
出典徒然草 六四
「程につけてきはむる官(つかさ)・位に至りぬれば」
[訳] 家柄に応じて到達できる最高の官位に達してしまうと。
きわむ 【極む・窮む】
⇒きはむ
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