学研全訳古語辞典 |
さすが・なり 【流石なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
そうはいっても、やはり…だ。やはり、そうでもない。やはり、そうはいかない。
出典徒然草 一一
「閼伽棚(あかだな)に菊・紅葉など折り散らしたる、さすがに住む人のあればなるべし」
[訳] 閼伽棚に菊や紅葉が折り散らしておいてあるのは、そうはいっても、やはり住む人がいるからなのであろう。
②
やはり、それだけのことはある。なんといっても、相当なものだ。▽多く「さすがに」の形で副詞的に用いる。
出典枕草子 鳥は
「木高(こだか)き木どもの中に、もろ声に鳴きたるこそ、さすがにをかしけれ」
[訳] 高い木々の中で、(ほととぎすとうぐいすが)声を合わせて鳴いているのは、やはりそれだけのことはあって面白い。
参考
「流石」は、中国の故事にもとづいたあて字といわれる。
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