学研全訳古語辞典 |
ひ・つ 【漬つ・沾つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
ひたる。水につかる。ぬれる。
出典古今集 春上
「袖(そで)ひちてむすびし水の凍れるを春立つ今日の風やとくらむ」
[訳] ⇒そでひちて…。
活用{ち/ち/つ/つる/つれ/ちよ}
[一]に同じ。
出典蜻蛉日記 中
「袖(そで)ひつる時をだにこそ嘆きしか身さへしぐれのふりもゆくかな」
[訳] 袖が涙でぬれる時でさえ嘆いたものなのに、今では身まで時雨(しぐれ)にぬれて、年老いてゆくことだ。
活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}
ひたす。水につける。ぬらす。
出典土佐日記 二・四
「手をひてて寒さも知らぬ泉にぞくむとはなしに日ごろ経(へ)にける」
[訳] 手をひたして寒さも感じない名ばかりの泉(である和泉(いずみ)の国)に(泉の水を)くむということもなくて幾日かを過ごしてしまったことだ。
参考
近世以降「ひづ」となる。
ひづ・つ 【漬つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
ぬれる。泥でよごれる。
出典万葉集 一九四
「朝露に玉裳(たまも)はひづち」
[訳] 朝露に裳はぬれ。
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