学研全訳古語辞典 |
き-れい・なり 【綺麗なり・奇麗なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
美しく華やかである。
出典太平記 一〇
「今朝までは、きれいなる大廈高墻(たいかかうしやう)の構へ、たちまちに灰燼(くわいじん)となって」
[訳] 今朝まで、美しく華やかな大きな建物と高い垣をめぐらした壮大な構えが、またたく間に燃えかすとなって。
②
姿や顔が美しい。
③
清らかである。
出典夷毘沙門 狂言
「いかにもきれいなる森林には住みもせで」
[訳] 決して清らかな森林の中には住まないで。
④
残りなく行われる。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「きれいにほどなくもとの木男(きをとこ)となりぬ」
[訳] すっかりすぐに本来の無骨な男になった。
⑤
潔い。
出典助六 歌舞
「なぜ物をきれいに言はんせぬぞへ」
[訳] なぜ言うべきことを潔く言ってくれないのですか。
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