学研全訳古語辞典 |
ほころ・ぶ 【綻ぶ】
活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ}
①
(縫い目が)ほころびる。ほどける。
②
(つぼみが)少し開く。ほころびる。
出典拾遺集 春
「あしひきの(=枕詞(まくらことば))山の桜はほころびにけり」
[訳] 山の桜は(つぼみが)少し開いた。
③
口をあける。口をあけて笑う。
出典源氏物語 少女
「人々、みなほころびて笑ひぬれば」
[訳] 人々は、みな、(こらえかねて)口をあけて笑ってしまったので。
④
(外に)現れる。露見する。
出典紫式部日記 寛弘五・九・九
「御簾(みす)の下より裳(も)の裾(すそ)などほころび出(い)づるほどほどに」
[訳] 御簾の下から、裳の裾などが(目につくように)現れ出るあたりに。
参考
(1)②は、和歌では、①の意とかけたり、「縫ふ」などの縁語としたりする。(2)平安時代には四段活用もあったとする説がある。
綻ぶのページへのリンク |