学研全訳古語辞典 |
はな-やか・なり 【華やかなり・花やかなり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
鮮やかだ。明るく美しい。華麗だ。
出典徒然草 一九一
「夜は、きららかに、はなやかなる装束、いとよし」
[訳] 夜は、きらびやかで華麗な衣服が、たいそうよい。
②
(雰囲気が)にぎやかだ。陽気だ。
出典徒然草 一九
「大路のさま、松立てわたして、はなやかにうれしげなるこそ」
[訳] (元旦の)都大路のようすは、門松をずっと立て並べて、にぎやかにうれしそうなのこそ。
③
きわだっている。(明るく)はっきりしている。▽物の形、声・音、においなどに用いる。
出典枕草子 頭の中将の
「『なにがしさぶらふ』と、いとはなやかにいふ」
[訳] 「だれそれでございます」と、たいそうはっきりと言う。
④
(勢いが)きわだって盛んだ。栄えている。
出典源氏物語 桐壺
「さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方々にも劣らず」
[訳] 目下世間の評判がきわだって盛んな御方々にも見劣りすることなく。
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