学研全訳古語辞典 |
うす・し 【薄し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
厚みがない。薄い。
出典万葉集 九七九
「わが背子(せこ)が着(け)る衣(きぬ)うすし」
[訳] あの人が着ている着物は薄い。[反対語] 厚し。
②
淡い。薄い。▽味・匂(にお)い・色・密度・濃度。
出典枕草子 木の花は
「木の花は、濃きもうすきも、紅梅」
[訳] 木に咲く花は、(色の)濃いのも薄いのも紅梅(がよい)。[反対語] 濃し。
③
浅はかだ。気持ちが深くない。薄情だ。
出典源氏物語 若菜下
「たどりうすかるべき女がたにだにみな思ひ後れつつ」
[訳] 考えの浅はかだと思われる女たちにさえみな後れをとってしまい。
④
とぼしい。少ない。
出典紫式部日記 寛弘五・九・一一
「阿闍梨(あざり)の験(げん)のうすきにあらず」
[訳] 阿闍梨の霊験がとぼしいからではない。
薄しのページへのリンク |