学研全訳古語辞典 |
もろ-くち 【諸口・双口】
①
多くの人のいう言葉。世間の評判。
出典宇津保物語 国譲中
「御王位だにも、下のもろくちと申すことは、え否(いな)び給(たま)はぬことなり」
[訳] 帝(みかど)でさえも、下の多くの人のいう言葉は、拒絶なさることのできないものである。
②
馬を引くとき、その口を左右から取って引くこと。
出典平家物語 九・生ずきの沙汰
「あるいは乗り口に引かせ、あるいはもろくちに引かせ」
[訳] ときには差し縄(=馬の口に付けて引く縄)を鐙(あぶみ)のところで取って引かせ、ときには左右の差し縄を二人で取って引かせ。[反対語] 乗り口。◆「もろぐち」とも。
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