学研全訳古語辞典 |
ゆる・す 【緩す・許す・赦す】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
ゆるめる。ゆるくする。ゆるやかにする。
出典源氏物語 若菜上
「猫の綱、ゆるしつれば」
[訳] 猫につけた綱をゆるめたので。
②
解放する。自由にする。逃がす。
出典竹取物語 御門の求婚
「『ゆるさじとす』とて、率(ゐ)ておはしまさむとするに」
[訳] 「逃がさないぞ」とおっしゃって、(かぐや姫を)つれておいでになろうとすると。
③
許す。承諾する。承認する。
出典源氏物語 桐壺
「まかでなむとし給(たま)ふを、暇(いとま)さらにゆるさせ給はず」
[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)は宮中から)退出しようとなさるけれども、(帝(みかど)は)少しも休みをお許しにならない。
④
認める。評価する。▽才能や技量などについていう。
出典徒然草 一五〇
「つひに上手の位に至り、徳たけ、人にゆるされて」
[訳] 最後には名人の段階に達し、人格が円熟し、人からも認められて。
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