学研全訳古語辞典 |
はし・る 【走る・奔る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
駆ける。走る。
出典徒然草 五〇
「皆北をさしてはしる」
[訳] みんなが北に向かって走っていく。
②
はねる。とび散る。ほとばしる。
出典今昔物語集 一四・一二
「その火はしり経の二字に当たりて、その二字焼けにき」
[訳] その火がとび散りお経の二文字に当たって、その二文字が焼けてしまった。
③
逃げる。
出典冥途飛脚 浄瑠・近松
「その傾城(けいせい)つれて、はしられたというて」
[訳] その遊女を連れて逃げられたといって。
④
胸が騒ぐ。
出典蜻蛉日記 中
「例のごとぞあらむと思ふに、胸つぶつぶとはしるに」
[訳] いつものとおりなのだろうと思うのだけれど、胸がどきどきと騒ぐのに。
わし・る 【走る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
走(はし)る。かける。
出典徒然草 七四
「東西に急ぎ、南北にわしる」
[訳] (人々は)東に西に(と)急ぎ、南に北に(と)走る。
②
あくせくする。
出典方丈記
「身を知り、世を知れれば、願はず、わしらず」
[訳] 身(の程)を知り、世間(というもの)を知っているので、うらやましく思ったり、あくせくしないで。
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