学研全訳古語辞典 |
あと-な・し 【跡無し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
跡が残らない。
出典万葉集 三五一
「朝開き漕(こ)ぎ去(い)にし船のあとなきがごと」
[訳] 朝の船出で、港を漕ぎ去って行った船の跡が残らないようなものだ。
②
訪れる者がない。
出典山家集 上
「あとなきよりはあはれならまし」
[訳] (庭の雪は)人が訪れた跡がないのよりは趣があるだろう。
③
根拠がない。
出典徒然草 五〇
「早くあとなき事にはあらざめり」
[訳] 初めから根拠のないことではないようだ。
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