学研全訳古語辞典 |
あと-た・ゆ 【跡絶ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
①
行方をくらます。俗世を捨てて隠遁(いんとん)生活に入る。
出典源氏物語 明石
「これより深き山を求めてや、あとたえなまし」
[訳] ここよりも深い山を探し求めて、(いっそのこと)行方をくらましてしまおうか。
②
訪れる人がなくなる。
出典源氏物語 末摘花
「今は浅茅(あさぢ)分くる人もあとたえたるに」
[訳] 今は浅茅を分けて訪れる人もなくなっていたところに。
③
音信が途絶える。
出典源氏物語 橋姫
「京のことさへあとたえて」
[訳] 京のことまでも音信が途絶えて。
と-だ・ゆ 【跡絶ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
行き来がとだえる。特に、男が女の所に通わなくなる。
出典源氏物語 総角
「久しうとだえ給(たま)はむは、心細からむ」
[訳] 長い間行き来がとだえなさるのは、心細く思っているだろう。
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