学研全訳古語辞典 |
すさ・む 【荒む・遊む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
気の向くままに…する。慰みに…する。
出典枕草子 雪のいと高うはあらで
「火箸(ひばし)して灰など搔(か)きすさみて」
[訳] 火箸で灰などを気の向くままにかきながら。
②
勢いが甚だしくなる。激しく…する。
出典新古今集 秋下
「松に這(は)ふまさの葉かづら散りにけり外山(とやま)の秋に風すさむらむ」
[訳] 松にからまるまさの葉かずらは散ってしまったことだ。外山の秋に風は激しく吹き荒れているだろう。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
心がひかれて楽しむ。もてはやす。
出典古今集 春上
「山高み人もすさめぬ桜花いたくなわびそ我見はやさむ」
[訳] 山が高いのでだれももてはやさない桜の花よ、ひどく嘆くことはない。私が見てほめてあげるから。
②
きらって避ける。
出典源氏物語 紅梅
「むべ我をばすさめたりと、気色(けしき)どり、怨(ゑん)じ給(たま)ひしこそ、をかしかりしか」
[訳] 道理で私をきらって避けていたのだと、(春宮(とうぐう)が)ようすを察して、恨みごとをお言いになったのが面白かった。
遊むのページへのリンク |