学研全訳古語辞典 |
きり-ふくろ-に-たまら-・ず 【錐囊にたまらず】
分類連語
①
優れた者は凡俗の中にあっても、必ず世に現れる(というたとえ)。▽錐は袋に入れても必ず先が突き出ることから。「たまらず」は、とどまっていない意。
出典無名抄 不可立歌仙教訓事
「その道に優れぬれば、きり、ふくろにたまらずとて、その聞こえありて」
[訳] その道に優れていると、「錐袋にたまらず」といって、凡俗の中にいても必ず世に現れるもので、その評判があって。
②
隠しごとは現れやすい(というたとえ)。
出典平家物語 一二・六代被斬
「されども、きりふくろにたまらぬ風情にて」
[訳] けれども、錐は袋にとどまっていないというように隠しごとは現れやすいもので。
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