学研全訳古語辞典 |
ずい-ぶん(に) 【随分(に)】
①
分際に応じて。身分相応(に)。
出典平家物語 灌頂・六道之沙汰
「万乗の主(あるじ)となり、ずいぶん一つとして、心にかなはずといふことなし」
[訳] 天子となり、その位に応じて一つとして、思いにかなわないということがない。
②
できるかぎり。極力。
出典平家物語 三・法印問答
「ずいぶん悲涙をおさへてこそ罷(まか)り過ぎ候へ」
[訳] できるかぎり悲しみの涙をおさえて、過ぎて来ました。
③
すこぶる。大いに。
出典今昔物語集 一四・二五
「真言(しんごん)を保ちて年ごろ行ふ間、ずいぶんにその験(しるし)あり」
[訳] 真言を保って長年修行をして来たので、大いにその効果がある。
④
〔下に打消の語を伴って〕なかなか。容易には。
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