学研全訳古語辞典 |
かた-くな・なり 【頑なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
偏屈だ。頑固だ。
出典源氏物語 桐壺
「いとど人わろう、かたくなになり果つるも、前(さき)の世ゆかしうなむ」
[訳] いっそう人聞きも悪く、偏屈になってしまうにつけても、前世の因縁が知りたくて。
②
無教養だ。愚かだ。
出典徒然草 一三七
「ことにかたくななる人ぞ『この枝かの枝散りにけり。今は見どころなし』などは言ふめる」
[訳] とくに無教養な人が、「この枝も、あの枝も(花は)散ってしまった。今はもう見る価値がない」などと言うようだ。
③
粗野だ。見苦しい。
出典徒然草 二二〇
「何事も辺土はいやしく、かたくななれども、天王寺の舞楽のみ都に恥ぢず」
[訳] 何事につけても片いなかは粗末で、粗野であるけれども、天王寺の舞楽だけは都に劣らない。
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