学研全訳古語辞典 |
とみ・なり 【頓なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
急だ。にわかだ。
出典蜻蛉日記 上
「とみなる召使ひの、来合ひたりつればなむ」
[訳] 急な(用事を伝える)召使いが、来合わせたので。
ひた-ぶる・なり 【頓なり・一向なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
ひたすらだ。いちずだ。
出典徒然草 二一七
「人は、よろづをさしおきて、ひたぶるに徳をつくべきなり」
[訳] 人はいっさいのことをそのままにして、ひたすらに富を身につけるべきである。
②
〔連用形の形で、下に打消の語を伴って〕いっこうに。まったく。
出典芭蕉庵再興 俳文
「ひたぶるに俗塵(ぞくぢん)をいとふとしもあらず」
[訳] まったく俗世間のわずらわしさを嫌っているというのでもない。
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