学研全訳古語辞典 |
うしは・く 【領く】
活用{か/き/く/く/け/け}
支配する。領有する。
出典万葉集 八九四
「うしはきいますもろもろの大御神(おほみかみ)たち」
[訳] (海を)支配しておいでになるさまざまな大御神たち。◆上代語。
し・く 【敷く・領く】
活用{か/き/く/く/け/け}
一面に広がる。広くゆきわたる。
出典千載集 春上
「霞(かすみ)しく春の潮路(しほぢ)を見渡せば」
[訳] 霞が一面に広がる春の海路を見渡すと。
活用{か/き/く/く/け/け}
①
平らに広げる。一面に並べる。
出典万葉集 一〇一三
「門(かど)に屋戸(やど)にも珠(たま)しかましを」
[訳] 門にも戸口にも珠を一面に敷いたでしょうに。
②
(あまねく)治める。
出典万葉集 一六七
「天皇(すめろき)のしきます国と」
[訳] 天皇がお治めになる国として。
③
広く行きわたらせる。
出典徒然草 一七一
「師(いくさ)を班(かへ)して、徳をしくには及(し)かざりき」
[訳] 軍隊を引き返して、徳を広く行きわたらせることには及ばなかった。
注意
[二]の②の意味は現代語にはない。
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