学研全訳古語辞典 |
あか-なく-に 【飽かなくに】
分類連語
①
まだ満足していないのに。名残惜しいのに。▽「なくに」が逆接の意を表す。
出典古今集 雑上・伊勢物語八二
「あかなくにまだきも月の隠るるか山の端(は)にげて入れずもあらなむ」
[訳] ⇒あかなくに…。
②
満足していないので。▽「なくに」が順接または詠嘆の意を表す。
出典万葉集 一二二一
「わが舟の楫(かぢ)はな引きそ倭(やまと)より恋ひ来(こ)し心いまだあかなくに」
[訳] 私の舟の櫓(ろ)を引いてこぎ始めないでおくれ。大和(やまと)から恋いしたってやって来た心が、まだ満足していないので。
参考
多くは①の逆接の意で用いられる。
なりたち
動詞「あく」の未然形+打消の助動詞「ず」の古い未然形「な」+接尾語「く」+助詞「に」
飽かなくにのページへのリンク |