学研全訳古語辞典 |
あたら・し 【惜し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
もったいない。惜しい。
出典源氏物語 桐壺
「きはことに賢くて、ただ人にはいとあたらしけれど」
[訳] (源氏は)きわだって賢明で、臣下にするには非常にもったいないけれど。
参考
「あたらし」と「をし」の違い 「を(惜)し」が自分のことについていうのに対し、「あたらし」は外から客観的に見た気持ちをいう。
あたら・し 【新し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
新しい。
出典堤中納言 虫めづる姫君
「いまあたらしきには名を付けて興じ給(たま)ふ」
[訳] (姫君は)さらに新しいの(=虫)には名前を付けて面白がりなさる。
語の歴史
上代には「あらたし」といったが、中古以降音変化で「あたらし」の形が現れ、「あたら(惜)し」とも混同されて定着した。
あたら・しのページへのリンク |