学研全訳古語辞典 |
そら
《接続》体言、活用語の連体形、副詞、助詞などに付く。「すら」に同じ。
出典今昔物語集 二八・六
「心ばせある人そら物につまづきて倒るること常のことなり」
[訳] 配慮のゆきとどいた人でさえ物につまずいて倒れることは当たり前のことである。
参考
「すら」の変化した形。中古末期から中世にかけて、漢文訓読文に多用された。
曾良
⇒河合曾良(かはひそら)
そら 【空】
①
大空。空。天空。
出典源氏物語 桐壺
「月は入り方の、そら清う澄み渡れるに」
[訳] 月は西に沈もうとしているころで、大空は清らかに一面に澄んでいるうえに。
②
空模様。天気。
出典源氏物語 明石
「雨など降り、そら乱れたる夜は」
[訳] 雨などが降って、空模様が荒れている夜は。
③
途上。方向。場所。
出典竹取物語 蓬莱の玉の枝
「旅のそらに、助け給(たま)ふべき人もなき所に」
[訳] 旅の途上なので、救ってくださるような人もない所であるのに。
④
気持ち。心地。▽多く打消の語を伴い、不安・空虚な心の状態を表す。
出典源氏物語 明石
「明け暮れ安きそらなく嘆き給(たま)ふに」
[訳] 毎日安らかな気持ちもなくお嘆きになるうえに。
参考
地上の広々とした空間を表すのが原義。
そら- 【空・虚】
①
いつわりの。うその。▽事実として存在しない意を表す。「そら言(ごと)」「そら寝」。
②
かいのない。むだな。▽あてにならない意を表す。「そら頼め」。
③
ただなんとなく。▽確かな根拠のないままにそう感じられる意を表す。「そら恐ろし」
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