学研全訳古語辞典 |
なだ-らか・なり
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
滑らかだ。角だっていない。
出典宇津保物語 祭の使
「なだらかなる石、かどある岩など」
[訳] 滑らかな石や、かどのある岩など。
②
平穏だ。無事だ。
出典源氏物語 玉鬘
「響きの灘(なだ)もなだらかに過ぎぬ」
[訳] 響き灘(という海の難所)も無事に通り過ぎた。
③
穏やかだ。温和だ。
出典源氏物語 桐壺
「心ばせのなだらかに目やすく」
[訳] 気立てが穏やかで難がなく。
④
無難だ。体裁がよい。
出典枕草子 女のひとりすむ所は
「ものかしこげになだらかに修理して」
[訳] 気が利いたように(家を)体裁よく修理して。
⑤
よどみがない。流暢(りゆうちよう)だ。すらすらとしている。
出典源氏物語 橋姫
「若き人々の、なだらかに物聞こゆべきもなく」
[訳] 若い人々(=女房たち)で、すらすらと申し上げられそうな者もなく。
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