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なすの意味

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学研全訳古語辞典

学研教育出版学研教育出版

-なす

接尾語

〔体言、ときに動詞の連体形に付いて〕…のように。…のような。▽比況・例示の意を示し、副詞のように用いる。「水母(くらげ)なす」「玉藻なす」「真珠(またま)なす」。◆「なす」の東国方言に「のす」がある。上代語。



な・す 【寝す】

[一]自動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


おやすみになる。▽「寝(ぬ)」の尊敬語。


出典万葉集 三九七八


「吾(あ)を待つとなすらむ妹(いも)を会ひてはや見む」


[訳] 私を待っておやすみになっているであろう妻に早く会いたいものだ。◆動詞「寝(ぬ)」に尊敬の助動詞「す」が付いたものの変化した語。上代語。


[二]他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


寝させる。


出典万葉集 八〇二


「まなかひにもとなかかりて安眠(やすい)しなさぬ」


[訳] ⇒うりはめば…。◆上代語。



な・す 【為す・成す】

[一]他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


実行する。行う。


出典徒然草 一八九


「けふはそのことをなさんと思へど、あらぬ急ぎまづ出(い)できて」


[訳] 今日はそのことをしようと思っても、思いもかけない急なことが先にできて。


変える。…にする。ならせる。


出典徒然草 一八八


「ある者、子を法師になして」


[訳] ある人が、子を僧侶(そうりよ)にして。


作り上げる。実現する。成就する。


出典徒然草 一八八


「目の前のことにのみ紛れて月日を送れば、ことごとなすことなくして、身は老いぬ」


[訳] 目の前のことにだけ心を奪われて月日を過ごすので、どれもこれも成就することがないままで、(わが)身は老いてしまう。


[二]補助動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


〔動詞の連用形に付いて〕ことさらに…する。


出典源氏物語 若紫


「顔はいと赤くすりなして立てり」


[訳] 顔は(泣いたらしく)たいそう赤くことさらにこすって(尼君のそばに)立っている。



な・す 【生す】

他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


(子を)生む。


出典竹取物語 貴公子たちの求婚


「おのがなさぬ子なれば、心にも従はずなむある」


[訳] 私が生んだのではない子なので、(かぐや姫は私の)意向にも従わないでいる。



な・す 【鳴す】

他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}


鳴らす。


出典日本書紀 継体


「末辺(すゑへ)をば笛に作り吹きなす」


[訳] 竹の末端を笛に作り吹き鳴らす。◆上代語。








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