学研全訳古語辞典 |
なれ
推定・伝聞の助動詞「なり」の已然形。
出典堤中納言 このついで
「宰相中将こそ参り給(たま)ふなれ」
[訳] 宰相の中将がいらっしゃるようだ。
なれ
断定の助動詞「なり」の已然形・命令形。
出典更級日記 梅の立枝
「宮仕へせしが下りしなれば」
[訳] (継母(ままはは)だった人は)以前に宮中に仕えていたが(父について東国に)下った人であるので。
なれ 【慣れ】
動詞「なる」の未然形・連用形。
なれ 【汝】
おまえ。▽対称の人称代名詞。親しい者、目下の者、動物などに用いる。
出典万葉集 一四九九
「ほととぎすなれだに来(き)鳴け」
[訳] ほととぎすよ。せめておまえだけでも来て鳴けよ。
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