学研全訳古語辞典 |
なれ-や
分類連語
(一)
〔「や」が係助詞の場合〕
①
〔「や」が疑問の意を表す場合〕…だからなのだろうか。
出典古今集 恋一
「浮草の上は繁(しげ)れる淵(ふち)なれや深き心を知る人のなき」
[訳] 表面は浮草が繁っている深い淵だからなのだろうか、私の深い心の底をわかってくれる人がいない。
②
〔「や」が反語の意を表す場合〕…なのだろうか、いや、…ではない。
出典万葉集 二三
「麻続王(をみのおほきみ)海人(あま)なれや伊良虞(いらご)の島の玉藻刈ります」
[訳] 麻続王は漁師なのだろうか、いや、そうではないのに、伊良虞の島の藻を刈っていらっしゃることよ。
(二)
〔「や」が詠嘆を表す間投助詞の場合〕…であることよ。
出典新古今集 羇旅
「明けばまた越ゆべき山の嶺(みね)なれや」
[訳] ⇒あけばまた…。
なりたち
断定の助動詞「なり」の已然形+助詞「や」
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