学研全訳古語辞典 |
あけばまた…
分類和歌
「明けばまた越ゆべき山の嶺(みね)なれや空ゆく月の末の白雲」
出典新古今集 羇旅・藤原家隆(ふじはらのいへたか)
[訳] 夜が明けたなら、また越えていかなければならない山の峰であることよ。空を渡っていく月の傾いていくかなた、白雲のかかっているあたりの峰は。
鑑賞
山中の旅を続ける途中、夜になって仮寝をする頃、空を渡る月が傾いて沈んでいく先の、山の端あたりに白い雲がかかっているのが見える。あの白雲のかかる峰が、明日また越えなければならない峰なのだろうと、これまでの長い道のりの苦労を思い出しながらも、これからの前途に対する不安とあこがれを強く感じているのである。
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