学研全訳古語辞典 |
つのくにの…
分類和歌
「津(つ)の国の難波(なには)の春は夢なれやあしの枯れ葉に風渡るなり」
出典新古今集 冬・西行(さいぎやう)
[訳] 摂津(せつつ)の国の難波のあの美しい景色の春は夢だったのか。今は、ただあしの枯れ葉に風が吹き渡っていくばかりだよ。
鑑賞
能因法師の歌「心あらむ人に見せばや津の国の難波わたりの春の景色を」(『後拾遺和歌集』)〈物の情趣を解する人がいたら、その人にぜひ見せたい。この摂津の国の難波あたりの春の景色を。〉に基づいている。
つのくに-の 【津の国の】
分類枕詞
「摂津(せつつ)の国の」の意から、この国の地名「難波(なには)」「長柄(ながら)」「御津(みつ)」などと類音・同音の「何は」「ながらへ」「見つ」などにかかる。
出典古今集 恋四
「つのくにのなにはおもはず」
[訳] 何も思わない。
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