古語:

つつの意味

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学研全訳古語辞典

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つつ

接続助詞

《接続》動詞および動詞型活用の助動詞の連用形に付く。


〔反復〕何度も…ては。


出典更級日記 かどで


「人まには参りつつ、額(ぬか)をつきし薬師仏(やくしほとけ)の立ち給(たま)へるを」


[訳] 人のいない時には何度もお参りしては礼拝した、あの薬師如来(によらい)が立っていらっしゃるのを。


〔継続〕…し続けて。(ずっと)…していて。


出典伊勢物語 二三


「女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける」


[訳] 女はこの男を(夫にしよう)と思い続けて、親が(他の男と)結婚させようとするけれども、承知しないでいたのだった。


〔複数動作の並行〕…しながら。…する一方で。


出典伊勢物語 九


「水の上に遊びつつ魚(いを)を食ふ」


[訳] (白い鳥が)水の表面で自由に泳ぎ回りながら魚を食べる。


〔複数主語の動作の並行〕みんなが…ながら。それぞれが…して。


出典土佐日記 一二・二一


「としごろよく比べつる人々なむ、別れがたく思ひて、日しきりにとかくしつつ、ののしるうちに」


[訳] 長年の間、よくつき合って親しくしてきた人々は、特別に別れにくいことだと思って、一日中ずっとみんなであれこれしながら騒いでいるうちに。


〔逆接〕…ながらも。…にもかかわらず。


出典万葉集 四二〇七


「遥々(はろばろ)に鳴くほととぎす…君が聞きつつ告げなくも憂し」


[訳] はるかに鳴くほととぎす…あなたが(その鳴き声を)聞いているにもかかわらず、知らせてくれないのはつれないぞ。


〔単純な接続〕…て。▽接続助詞「て」と同じ用法。


出典徒然草 一


「程につけつつ時にあひ、したり顔なるも」


[訳] それぞれの身分や家柄に応じて、時運にあって栄達し、得意顔であるのも。


〔動作の継続を詠嘆的に表す〕しきりに…していることよ。▽和歌の末尾に用いられ、「つつ止め」といわれる。


出典新古今集 冬


「田子(たご)の浦にうち出(い)でて見れば白妙(しろたへ)の富士の高嶺(たかね)に雪は降りつつ」


[訳] ⇒たごのうらに…。


語の歴史

「つつ」は現代語では、文語の中で用いられる。現代語の「つつ」は、「道を歩きつつ本を読む」のように、二つの動作の並行か、「今、読みつつある本」のように、動作の継続かの意味で用いられる。古語の用例も、ともすれば、この意味に解釈しやすい傾向がある。古語ではの意味で用いられることが多いが、これも二つの動作の並行の意味に誤解されることが多いので注意する必要がある。この動作の反復の意は現代語の接続助詞ではとらえられず、その意に当たる副詞的な語を補うか、「つつ」の上の動詞を繰り返すかなどすると、その意味がとらえやすい。の用法は、現代語から見てそう解するほうが理解しやすいというものである。この意味では「月夜には来こぬ人待たるかきくもり雨も降らなむわびつつも寝む」(『古今和歌集』恋五)のように「つつも」の形で使われた場合が多い。



つ・つ 【伝つ】

他動詞タ行下二段活用

活用{て/て/つ/つる/つれ/てよ}


伝える。


出典古今集 春上


「言(こと)やつてまし」


[訳] (雁(かり)が)言葉を伝えてくれるだろうか。


参考

未然・連用・命令の三活用形だけが用いられる。



つつ 【筒】

名詞

中が空(から)の細長いもの。


丸い井戸の側壁。井筒(いづつ)。








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