学研全訳古語辞典 |
け・つ 【消つ】
活用{た/ち/つ/つ/て/て}
①
消す。
出典万葉集 三一九
「燃ゆる火を雪もちけち降る雪を火もちけちつつ」
[訳] (富士山は)燃える火を雪で消し、降る雪を火で消しながら。
②
取り除く。隠す。
出典源氏物語 若菜上
「心苦しき御気色(けしき)の、下にはおのづから漏りつつ見ゆるを、事なくけち給(たま)へるも」
[訳] お気の毒なごようすが、隠しても自然に漏れ出て見えるのを、心配事がないように隠していらっしゃるのにつけても。
③
圧倒する。無視する。ないものにする。
出典源氏物語 東屋
「いかばかりならむ人か宮をばけち奉らむ」
[訳] 一体どれほどの人が宮を圧倒し申し上げることができるだろうか、いや、そんなことはできないだろう。
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