学研全訳古語辞典 |
ね-ば
分類連語
①
〔「ば」が順接の確定条件を表す場合〕…ないので。…ないから。
出典徒然草 二五
「桃李(たうり)もの言はねば、たれとともにか昔を語らん」
[訳] 桃や李(すもも)はものを言わないから、だれとともに昔を語ろうか、いや、だれとも語れない。
②
〔「ば」が恒常条件を表す場合〕…ないと。…ないときは、いつも。
出典徒然草 四七
「鼻ひたる時、かくまじなはねば、死ぬるなり」
[訳] くしゃみをした時、このように(クサメ、クサメと)おまじないをしないと、死んでしまうのだ。
③
〔多く上に「も」を伴い、「ば」が逆接の確定条件のような意味を表す場合〕…ないのに。
出典万葉集 一六二八
「我が宿の萩(はぎ)の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞ紅葉(もみ)てる」
[訳] 私の家の庭の萩の下葉は、まだ秋風も吹かないのに、こんなに紅葉しているよ。
なりたち
打消の助動詞「ず」の已然形+接続助詞「ば」
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