学研全訳古語辞典 |
ひも-と・く 【紐解く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
衣服の紐をほどく。特に、衣服の下紐をほどく。男女が共寝することにいう。
出典万葉集 四四一六
「草枕(くさまくら)(=枕詞(まくらことば))旅行く夫(せ)なが丸寝(まるね)せば家(いは)なるわれはひもとかず寝む」
[訳] 旅行く夫が衣服を着たままごろねするならば家にいる私は紐を解かないで寝よう。
②
つぼみが開く。ほころびる。
出典源氏物語 若菜上
「ひもときわたる花の木ども」
[訳] (あたり一面に)つぼみがほころんでいる桜の花の木々。
活用{か/き/く/く/け/け}
(書物を)開く。また、そうして読む。▽書物の帙(ちつ)や巻物の紐をほどくの意から。
出典机の銘 俳文・芭蕉
「静かなるときは書をひもといて」
[訳] 静かなときには書物を開いて。◆「繙く」とも書く。
参考
この言葉は、古く、男女が共寝の準備をすることにいった。が、一方、男女が共寝して別れるときに、互いに相手の下紐を結び合い、再び会うまでは解かないことを誓う習慣があったが、その禁を破って心変わりすることにもいう。
ひもとくのページへのリンク |