学研全訳古語辞典 |
ひと-へ
(一)
【一重】
①
(重ならないである)一枚。
出典枕草子 さかしきもの
「紙をあまた押し重ねて、いと鈍き刀して切るさまは、ひとへだに断つべくもあらぬに」
[訳] 紙をたくさん押し重ねて、とても切れ味の鈍い刀で切るありさまは、一枚だって切れそうもないのに。
②
花びらが一枚ずつで重なっていないこと。また、その花。
(二)
【単】「単衣(ひとへぎぬ)」の略。
出典枕草子 野分のまたの日こそ
「生絹(すずし)のひとへのいみじうほころびたえ」
[訳] 生絹の単衣のたいそう着くずれて。[季語] 夏。[反対語] 袷(あはせ)。
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