学研全訳古語辞典 |
ひとのおやの…
分類和歌
「人の親の心は闇(やみ)にあらねども子を思ふ道に惑(まど)ひぬるかな」
出典後撰集 雑一・藤原兼輔(ふぢはらのかねすけ)・大和物語四五
[訳] 人の親の心は闇ではないけれど、子供のことを思う道には、まるで闇の中にいるように何も見えなくなって、ただただ迷ってしまうことだ。
鑑賞
子供のことを思うと分別すらなくなってしまう親心を素直に表現した歌。『大和物語』では、醍醐(だいご)天皇の御息所(みやすどころ)として入内(じゆだい)した娘を案じ、兼輔が天皇に奏上した歌とされる。「惑ふ」は「闇」の縁語。
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