学研全訳古語辞典 |
ほか 【外】
①
別の場所。よそ。
出典源氏物語 桐壺
「後涼殿(こうらうでん)に、もとよりさぶらひ給(たま)ふ更衣(かうい)の曹司(ざうし)を、ほかに移させ給ひて」
[訳] 後涼殿で、以前からお仕えなさっている更衣の部屋を、よそにお移しになられて。
②
別のところの物・事。
出典古今集 春上
「見る人もなき山里の桜花ほかの散りなむのちぞ咲かまし」
[訳] ⇒みるひとも…。
③
それ以外。その他。
出典更級日記 物語
「これを見るよりほかのことなければ」
[訳] これ(=『源氏物語』)を見るより以外のことがないので。
④
外界。世間。
出典徒然草 七五
「心、ほかの塵(ちり)に奪はれて惑ひやすく」
[訳] 心は、外界の汚れにひきつけられ迷いやすく。
⑤
そと。外側。表面。
出典松風 謡曲
「思ひ内にあれば、色ほかに現れさむらふぞや」
[訳] 思うことが心の中にあると、色が表面(=顔色)現れることでございますね。
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