学研全訳古語辞典 |
むすぶての…
分類和歌
「むすぶ手の雫(しづく)に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな」
出典古今集 離別・紀貫之(きのつらゆき)
[訳] すくう手から落ちる雫のために濁ってしまう山の湧(わ)き水は、満足するまで飲めず物足りない。そのように満ち足りずにあなたと別れてしまったよ。
鑑賞
旅先の行きずりの人を名残惜しく思う淡い感情が素直に表現されている。「むすぶ手の…山の井の」は、眼前のようすを描写するとともに、「あかでも」を導く序詞(じよことば)となっている。
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