学研全訳古語辞典 |
にご・る 【濁る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
不透明になる。
出典古今集 離別
「むすぶ手の雫(しづく)ににごる山の井の飽かでも人に別れぬるかな」
[訳] ⇒むすぶての…。
②
煩悩・情欲にとらわれる。けがれる。
出典源氏物語 宿木
「澄み果てたりし方の心もにごりそめにしかば」
[訳] 悟りきっていた方面の気持ちも(大君(おおいぎみ)に対する恋のため)けがれはじめてしまったので。
③
濁音になる。
出典徒然草 一六〇
「『行法(ぎやうぼふ)』も、『法』の字を清(す)みて言ふ、わろし。にごりていふ」
[訳] 「行法」という言葉も、「法」の文字を清音で発音するのはよくない。濁音にして言う(べきだ)。
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