学研全訳古語辞典 |
こ・し 【濃し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
①
(色が)濃い。
出典枕草子 木の花は
「木の花は、こきも薄きも紅梅」
[訳] 木に咲く花は、(色の)濃いのも薄いのも紅梅(がよい)。
②
紫色または紅色が濃い。
出典大和物語 一七三
「薄色の衣(きぬ)、こき衣上に着て、丈だちいとよきほどなる人の」
[訳] 薄い紅色の衣に濃い紅色の衣を上に着て、背丈もちょうどよいくらいの人が。
③
濃厚だ。濃い。
出典宇治拾遺 三・一八
「沈(ぢん)・丁子(ちやうじ)をこく煎(せん)じて入れたり」
[訳] 沈香(じんこう)や丁子の実を濃く煮出して入れてある。
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